高濃度乳房とは?要因や画像や授乳との関係を調査!こんな人は注意!

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小林麻央さんが乳がんにより他界されましたが、
彼女の闘病中のブログは日本はもとより世界中で反響を呼んだことは記憶に新しいです。

乳がんは、女性の部位別がん死亡数では5位にのぼり、
30歳から64歳までの働き盛りの女性の中では1位を占めています。

実際に小林麻央さんも34歳という若さでした。

そして、昨今では乳がん検診の必要性を強く訴える広告を良く目にするようになり、
自治体でも健康診断をすすんで受けるように対象者に手紙を送付するなど、さまざまな対策が講じられています。

そんな中、厚生労働省から高濃度乳房の対応についての通知が出されました。
乳がん検診における「高濃度乳房」への対応について

高濃度乳房って何?

どんな人が気を付けたらいいの?

など、さまざまな疑問がわいてきます。

高濃度乳房について詳しく調べてみました。

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高濃度乳房とは

乳房は主に脂肪と乳腺実質(小葉、乳管)からできています。


高濃度乳房を一言で言うと、
乳腺実質の割合が多い乳房のこと。

英語では、Dense Breastと呼びます。

乳腺濃度は若年者ほど高いと言われていますが、これはホルモンの分泌量からも説明がつきます。

詳しく説明すると、
一般的に乳腺はエストロゲンによって増殖し、プロゲステロンによって発達するとされています。
それらは女性ホルモンと呼ばれますが、その女性ホルモンの分泌量は加齢と共に減少していきます。


【http://oc-ginza.com/press/column/5846/より引用】

年齢と共にバストのハリがなくなったという人は多いと思いますが、
それは女性ホルモンが関係しているからです。

若いうちは乳腺が発達し、乳腺実質の割合が高いというのがなんとなくイメージできたかと思います。

では、年齢が高ければ心配ないかと言えば、そうではないようです。

日本人は高濃度乳房が多い!

欧米の女性と比べると、日本人を含むアジアの女性では高濃度乳房の比率が高いと言われています。

年齢別高濃度乳房の割合

40代 54.9-68.8%
50代 35.6-48.1%
60代 25.2-32.3%
70代 9.7-21.3%

ここで皆が疑問に思うのは、
なぜ30代のデータが無いの?!

ということ。
小林麻央さんのこともあり、30代の女性の多くが乳がんについて気になっているのではないでしょうか。

30代のデータがない理由は、厚生労働省は現時点では、乳がん検診の対象者を40歳以上としており、データがそろってないことが考えられます。

上記はH26年のデータで愛知県と福井県の検診成績などを示していますが、
残念ながら今のところ、日本全国の現状を把握できる報告はありません。

乳がん検診について

乳がん検診について少し触れたいと思います。

乳がん検診は40歳以上が対象とされ、費用を一部負担するのみで、検診を受けることができます。

39歳以下は自費での検診となります。
(ただし、会社によっては、年1回の健康診断の際、年齢関係なく一部負担で検診を受けることができる場合もあります。)

では実際に自費で検診を受けようと思ったら、どのくらいの費用が掛かるのかというと・・

乳がん検診自費の場合

マンモグラフィ 5,000円前後
超音波エコー 3,500円前後

加えて、診察費用を合わせると、全体で15,000円~20,000円かかります。

あまりの高さにセルフチェックで済まそうと思っちゃいませんか?

いくら早期発見が大事、30代でも乳がんになると言われても、15,000円と言われると躊躇する人が多いのではないでしょうか。

では、若い人に多いとされる高濃度乳房ですが、なぜ高濃度乳房になるのでしょうか。

高濃度乳房になる要因は?

高濃度乳房は、以下のようなホルモン環境が要因との報告があがっています。

  • 出生数
  • 授乳経験
  • 女性ホルモン補充療法
  • ただし、明確なエビデンスはまだ確立していません。

    マンモグラフィの画像

    マンモグラフィの画像をみると違いは明らかです。

    右側の2つが高濃度乳房です。


    【http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20141215/196941/より引用】


    横浜栄共済病院放射線科より引用】

    なぜ厚生労働省は通知を出したのか?

    高濃度乳房は、上述のとおり乳腺実質の割合が多いため、
    マンモグラフィに癌がうつりにくく見逃しのリスクが伴います。

    高濃度乳房では背景にある乳腺がマンモグラフィで白く描出されるため、同じように白く描出される乳がんが隠れてしまいやすいのです。

    アメリカでは2009年から8年間の歳月をかけてアメリカ全50州の27州(54%)で高濃度乳房の告知が行われるようになりました。
    【https://medicalnote.jp/contents/170419-001-LGより引用】

    見逃されやすいということを自らで認識しておく必要があるということです。
    (乳がんリスクが高いという告知ではありません。)

    日本においても、知る権利を勘案すると告知しないのは問題ではないかと指摘するメディアが登場し、
    一部の検診センターでは、乳房濃度を通知し始めたところもあります。

    また、

    昨年10月には乳がん患者団体などが厚労省に通知体制の整備を要望。今年3月には日本乳癌(がん)検診学会が、国に適切な通知のあり方を検討するよう求めた。
    【https://www.nikkei.com/article/DGXLZO18431920T00C17A7CR8000/より引用】

    ここまで説明するともうお分かりと思いますが、
    早期発見が何よりも大事な乳がんにおいて、発見が遅れるということは、がんが進行し見つかった時には手遅れになりかねないということ。

    「もし“高濃度”“不均一高濃度”の乳腺といわれたら、乳腺濃度の影響を受けない超音波検査も併せて受けて」
    【http://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20141215/196941/?P=2より引用】

    とコメントされているのは、亀田京橋クリニック画像センター長の戸崎光宏医師ですが、

    見逃しのリスクが高いことを自ら知り、追加検査を促しておられます。

    もし、知らなければ追加の検査など考えもしません。

    しかし、あなたが高濃度乳房だとわかったら、どうされますか?

    きっと超音波検査も受けたいと思われるのではないでしょうか?

    一方で、マンモグラフィで高濃度乳房であることがわかっても安易に超音波検査を行うことを危惧する先生もおられます。

    乳房超音波検査を追加することによる死亡率減少効果までは確認されていません。

    さらにJ-STARTの結果から超音波検査を追加すると偽陽性も増加して受診者の不利益が増すことも明らかになっています。

    そのため、対策型乳がん検診に超音波検査を追加で行うことの意義については、さらなる研究・検討が求められています。

    現時点では高濃度乳房の方に超音波検査を追加する乳がん検診の利益が、検査の不利益を上回るというエビデンスはなく、
    現時点で安易に高濃度乳房の方にマンモグラフィに超音波検査を追加することを推奨できません。
    【https://medicalnote.jp/contents/170419-002-ULより引用】

    上記は静岡県立静岡がんセンターの植松孝悦医師のコメントです。

    私たちは一体どうしたら良いのか・・・

    厚生労働省HPには、今回の通知について以下のように記載があります。

    厚生労働省乳『がん検診における「高濃度乳房」への対応について』 通知について

  • 我が国における乳房の構成の比率が明らかになっていないことから、乳房の構成に関する
    実態調査が必要である
  • 乳房の構成に関する判定基準が曖昧である
  • 高濃度乳房への対応が確立されていない中、がん検診受診者に対して、一律に通知することは
    時期尚早である
  • 乳房の構成は、受診者個人の情報であり、本人が希望する場合知ることができる
  • がん検診受診者が高濃度乳房を正しく理解できるための仕組みが必要である
  •  

    今後、実態調査と体制づくりをしていくことが伺えます。

    ようやく重い腰を上げたということでしょうか・・・

    告知もいずれ始まるかもしれませんね。

    私も知りたいです!

    では、いくつか上がった疑問について、調べてみたのでご覧ください。

    授乳との関係

    高濃度乳房は出産や授乳によって低下することが明らかとなっています。

    つまり、出産、授乳経験は乳がんリスク軽減因子となります。

    しかし、これは、発見しやすいということであり、高濃度乳腺乳房と乳がんとの関係については明らかとなっていませんのでご注意ください。

    高濃度乳房は病気なの?

    厚生労働省が通知を出したということで、気になる人も多いと思いますが、

    高濃度乳房は病気ではないのでご安心ください。

    2012年に乳腺濃度について研究発表が行われていました。
    興味深い結果をシェアします。

    年齢が上がるに従い、乳腺濃度は低下していた。
    高濃度、不均一高濃度の割合が下がり、脂肪性が増加していた。

    乳腺濃度と授乳経験の有無について、全年代(20・30代、40代、50代、60代、70代)を総合すると、授乳経験がある例の方が乳腺濃度は低下していた。

    年代別に解析すると、特に40代では授乳経験がある例において乳腺濃度が下がる傾向が高かった(p=0.0507)。

    乳腺濃度と出産数の関係は、50代、60代において、出産数に応じて有意に乳腺濃度が低下していた。

    40代では授乳経験の有無が、50代では出産数が乳腺濃度に影響を与えるとまとめ、「閉経を過ぎると、出産・授乳の有無による影響が乳腺濃度に反映されやすくなる傾向がある」

    注意すべき人は?

    注意すべき人とは、高濃度乳房の可能性が高い人を指します。

    これまでの内容をまとめると、

  • 思春期以降の若い女性
  • 出産、授乳経験がない女性
  •  
    全ての女性において、高濃度乳腺の可能性があると考えてよいかもしれませんね。

    まとめ

  • 高濃度乳房は、脂肪性乳房と比べるとマンモグラフィで乳がんを発見しにくいことがある。ゆえに見逃されやすく発見したときには手遅れになりかねない。
  • アメリカでは、2008年から高濃度乳房の告知がはじまっている。
  • 高濃度乳房は病気ではなく、治療も必要ない。
  • 高濃度乳房と乳がん罹患リスクとの関係について明らかではない(厚生労働省通知
  • 厚生労働省は、実態調査と仕組みや体制づくりを開始した。
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