台風21号により関西地方を中心とした西日本に甚大な被害が出ております。各警察の集計によると、大阪、滋賀、愛知、三重で11人が死亡。大阪や愛知など21府県で約292人が負傷し、住宅被害は、大阪をはじめ17府県で一部損壊など317棟に上ったとの報告です。
また9/6未明に北海道南西部を襲った北海道胆振地震により、今尚物流もライフラインも不安定な状況です。マグニチュード(M)6.7と、阪神大震災や熊本地震などと比べ、地震の規模自体は一回り小さいですが、かなり広範囲にわたって土砂災害や液状化などの被害が出ました。
未曾有の危機ともいえる状況が間髪入れずに発生する昨今、日頃の備えが十分なのか不安になってしまいますね。「備えあれば憂いなし」とはありますが、備えは人間だけでなく共生するペットにも必要です。
もしもペットへの備えがなければどうなるのでしょうか。
避難所へペットを連れて行くことは可能?
避難所へペットを連れて行くことができるかどうかは、自分の住居の最寄りの避難場所へ確認していただくことがベストです。
災害時の避難場所は、市区町村が指定する「一時避難場所」「広域避難場所」「避難所」の3種類があります。災害の種類や規模に合わせて異なる場合もありますので、一度自宅に近い指定避難場所とペット受け入れの可否についても確認しておくことをオススメします。
避難所でのペットの受け入れについては十分に制度が整っているわけではありませんが、受け入れが可能な場合は屋内か屋外か、何かルールがあるのかを確認しましょう。また受け入れが不可能な場合はペットシェルターに預けるなどの代替策はあるか、出来るだけ詳細に確認しておくと安心です。受け入れ先が見つからない場合、保健所(健康福祉センターなど)の動物愛護担当部署などに相談してみてもいいかもしれません。
また環境省より「人とペットの災害対策ガイドライン」も発行されています。
※ただしこちらは、ペットの中でも特に犬や猫などの小型動物、鳥類を対象としております。
その他の種類のペットを飼育している方はペットショップや地域の保健所等へ各自で確認する必要があります。
飼い主が事前に行うべき10のこと
飼い主がペットの防災を考えることは、ペットだけでなく飼い主自身の災害対策を考えることと同じです。
また自治体や現地動物救護本部等による災害時のペット対策の支援は、しつけや健康管理など、平常時に飼い主が十分な飼育管理の責任を果たしていることが前提となっています。
災害発生時に避難所などで避難するような場合には、動物由来感染症等が他の避難者やペットに感染しないようにするとともに、各避難拠点が定めたペット管理のルールを遵守する必要があります。
そのために以下のことは飼い主の責務として事前に行っておくことが必要です。
- 住まいや飼育場所の防災対策
- ペットのしつけと健康管理
- 不妊・去勢処置
- ペットが行方不明にならないための対策(鑑札、迷子札、マイクロチップなどによる所有者明示)
- ペット用の避難用品や備蓄品の確保
- 避難所や避難ルートの確認などの準備
- 避難所以外の避難先やペットの預け先の確保
- 飼い主同士の共助のためのコミュニケーションと良好な関係の構築
- 避難訓練への参加と家族単位の避難訓練(シミュレーション)の実施
- 携行できるペット情報のまとめ(治療記録、ワクチン接種歴など)
飼い主が災害時にやるべき3つのこと
- 人とペットの安全確保
- 避難が必要な際のペットとの同行避難
- 避難所や応急仮設住宅に置けるペットの適正飼養(飼養マナーの遵守と衛生管理、ペットの健康と安全の確保)
避難所にはペットが苦手な人も含め様々な人が避難してきます。不要なトラブルを避けお互いに心地よく過ごすためにも、避難所の中ではケージに入れたりリードにつなぎ、決められたルールを守り、責任を持ってペットの世話をしましょう。
普段からケージやリードに慣れさせておくといざという時にペットも安心です。
ペットが苦手な人にも理解してもらえるよう周囲に迷惑をかけない心がけをしましょう。
災害などの緊急事態では普段とは違う生活を強いられ人もペットもストレスを感じることになります。無駄吠えがひどくなったり、少しの異変に過剰に反応してしまう例もあり、苦情の原因となります。
このような事がないように、大好きなおもちゃやおやつを与えるなどできる限りストレスを解消させてあげましょう。また、ペット自身の匂いのついたタオルなどがあれば自分のスペースがあると感じることができ、リラックスにつながるようです。
ペットの飼育は自己責任、災害時にはペットより人命優先とは言うけれど・・・
ここに記載した内容はあくまで最低限の内容です。かなりシビアですね。
それほど動物を飼うということは責任が発生するということです。飼い主の行動ひとつで動物の命が左右されてしまいます。
なお環境省のガイドラインでは「災害時に行政機関が担う役割は、一義的には被災者の救護である」とも書かれています。
飼い主にとってはかけがえのない家族であっても、もしかすると他の人にとってはそうではないかもしれません。だからこそ事前に備えをし、ペットとも被災を乗り越えられるような心構えと準備が必要ですね!
参考URL:人とペットの災害対策ガイドライン【平成30年3月発行】
http://www.petline.co.jp/note/dog/measure/